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March 12, 2010

ものつくり立国という呪縛からの解放

 丁度前回日本に出張した1月に、たまたまNHKスペシャル「メイドインジャパンの命運」が放映されていた。これは台頭するアジアの製造メーカーの猛威に対して、日本はどう対抗し、どう道を切り開いていくのかという、日本の製造業の将来への模索を描いた特集だった。自分も海の外からではあるが、昨今の海外における日本の劣勢を目の当たりにしているだけに、この放映を見る事が出来たのはラッキーだった。この中で、既に日本での生産に見切りをつけ、自分たちが培ってきた技術のロイヤリティに収益モデルを特化し、生き残りをかけたJVCケンウッド(最近ではもちろんSONYもその部類だ)と、あくまでも技術力とものつくりにこだわり、何とか技術開発力で他国の追従を振り切ろうとする東芝の様子が放映されていた。
 特に東芝においては、価格を度外視して性能を重視した高機能テレビの開発から製造、そして完成までの様子がドキュメンタリータッチに描かれていて、かつて日本ビクターのVHSの開発の舞台裏を描いた映画「陽はまた昇る」を彷彿される感じだった(その物語の主役だったJVCもいまや斜陽の状況だが)。チューナーがいくつも付いたお化けのようなPCB、その高密度化による発熱を防ぐための蛸足のような水冷ヒートシンク、そんなお化け基板を設計したエンジニアたちの葛藤と、複雑化した機能を何とかまとめるべくデザインされたバグだらけのソフトウェアをできるだけ正常化しようとするプログラマーの奮闘、そして何とかその製品を販売路線乗せるためその発表の場を事前に控え、何とか納期を間に合わせて死期回生を図るべく現場に発破をかけるセールス陣の攻防(?)。日本が本来、常とし美徳としてきた(であろう)製造現場の舞台裏がリアルに描かれていた。そしてエンディングでは、やっとの思いで展示会の納期に間に合わすこトができた製品の出荷を朝焼け(もしかしたら夕焼け…)の中、安堵感と達成感に満ちた顔つきで見送るエンジニアたちの姿が映し出されていた。良い番組だった。が、熾烈な価格競争の泥沼にさいなまれる日系企業の状況を目の当たりにしている私が思ったのは、「これ売れるの?」という事だけだった。
 
 さて、アメリカに2月頭に戻り3月に入って2週目、シリコンバレーでは2つの大きなNEWSの発表があった。ひとつはGOOGLEがTV番組の検索を本格的にスタートするということ。同社はすでにサテライトTVを基幹に放送業界に殴り込みをかける姿勢を鮮明にしていたのだが、その計画の先鋒がまず具体化された。そしてもう一つはインターネットルーターの最大手であるCISCOシステムが従来の3倍以上の速度を実現する高速ルーターを発表。主に映像のダウンロードに飛躍的なアドバンテージを与えるというものだった。このNEWSは本当に衝撃的だ。それはテレビという日本のものつくりを代表する製品の存在自身が根底から覆るインパクトを持っているからだ。デジタル放送が標準化される背景には、もうチューナーなど必要ない新しい技術による映像配信が今後はスタンダードになるという意味があると思う。、そしてインフラをつかさどるハードウエアもその革新に伴って性能が飛躍的に向上し媒体を効率よく配信するシステムやソフトウェア[番組)自身も、この先恐ろしい早さで進化を遂げ、やがてはテレビという受信機ではなく、大型モニター+セットトップBOX(PC)が主流になる日がほんとうに近い気がする。そんな中、高機能と技術力を見せつけるために莫大な開発費と、人件費、そしてマーケティング費を費やして工場から送りだされた高機能テレビは、日の目を見ることなく葬られてしまう運命をたどらざるを得内という状況を、なぜ日本では大御所である東芝が気がついていないのか(もしかしたら気が付いていてなおかつの開発かもしれないが)ということが本当に情けない。クラウド化が加速しネットワークがより軽くシンプルなシステムとなり、それとつかさどるハードウェアーもますますシンプル化していく状況のなかで、なおもものつくり立国を自負し技術力を誇示するというのは、どう考えても勝ち目がなくなっている戦局において、なおも日露戦争における日本海軍の大勝利を再度実現すべく意味のない莫大な出費を費やして大和や武蔵といったっ巨大戦艦をつくっていた戦争末期の日本のスタイルが何の学習もなく踏襲されているような感じがした。
 もちろん、他の日本の大手家電メーカーもそのような考えを未だに持っているとは思いたくない。ただ残念ながら性格として大手であればある程、右へならえの傾向が強い事も事実だ。 「ものつくり立国」「技術立国」という自尊に胡坐をかいていられる時代はもうとっくの昔に終焉しているという事を、日本の企業はもっと真剣に受け止め、そしてその呪縛から一日も早くのがれて身軽になりもっとシンプルに市場をみるべきだ。考えてみれば本当に単純な事だとおもう。

 

August 06, 2009

クロームOS開発にみるGOOGLEの野望

7月半ばに発表されたGOOGLEのクロームOS開発のニュースは果たしてどんなインパクトがあったのだろうか?「GOOGLEよ、お前もか」的な見方を大半の人が感じたとは思うが、これはまさしく帝王マイクロソフトへの挑戦だというイメージがものすごく強いのではないかと思う。自分は情けないことにPCには疎いし、クロームOS自身がどんなものなのかも殆どわかっていないので、そのニュースのインパクトだけでグーグルのOS開発という戦略を理解している部分があるが、タイミングよくGOOGLEの先輩I氏とGOOGLEのキャンパスでランチを取る機会があったので(いやあ、相変わらず全て無料のカフェでのオルガニックなランチは、極端な話、この不景気を微塵も感じさせない別世界での一時だった)、色々聞いてみた。勿論、その先輩も直接このプロジェクトに参加しているわけではないので、細かいところまでは聞けなかったが、 はっきり言って驚いたというか感嘆した。なぜかというとその開発のコンセプトと目指すところが非常に単純でわかりやすかったからだ。
 クロームOSは、特に技術者系の友人達のコメントを聞くと、昨年発表した携帯端末向けOSである「アンドロイド」と同じものではないのか?とか、それぞれのOSをどこで区別するのか?とか、別々にOSを開発する意味があるのか?とか技術的な側面から推測される考察が多かったのだが、自分のような文系人間にはそのような側面からの意見は正直言ってよくわからない。そんなことより、このクロームOSのキャラクターが理解できればいいな~と思っていたのだが、そのキャラクターをI氏は見事に説明してくれた。
 I氏曰く、クロームOSの目指すところはテレビの機能とプログラムだという。テレビ自身は基本的にプログラム(ソフト)を持っていない。放送局から配信される番組を受信して映し出す受信機だ。スイッチを入れれば瞬時に画面が現れ、老若男女を問わず簡単に操作ができ、見たい番組をセレクトすることができる。単純化された操作方法は取り説をみたり専門書を読んだり教室に通わなくとも、ほとんどの人が使いこなせる。こんなテレビのキャラクターをクロームOSによって実現させる事が、このプロジェクトの開発目標なのだそうだ。
 非常にわかりやすくないか?まず既に巨大なデータセンター(TVで言えば放送局)を世界中に確保している同社にとってはクラウドコンピューティングの為のホスト環境の構築はたやすい作業であり、このOSに特化したネットブックタイプのPCを安価で販売(すでに年内には発売される可能性あり??)、し、OSによって非常に単純な操作で必要な機能を全てネットワークを通じで利用でき、おまけにテレビのように電源を入れたらすぐに使用できる(開発チームは、よっぽど今のPCの立ち上がりのモタモタに不満があるらしく。この部分にかなりこだわり、スイッチオンから5秒以内に操作ができることを目標としているそうだ)。そんなテレビ感覚のPCと操作を可能にするOSがクロームなのだそうだ。
 この話を聞いて感嘆すると同時にいろいろと考えてみた。これは現状のマイクロソフトOSの使えないところや、だめなところをその反面教師でもって改善し、具体化することで比較的簡単にそのアイデアとゴールを設定することができたのではないか?あれだけ強大なシェアをもつマイクロソフトOSだから、その使いにくさや要望だけをまとめても、それは世界のユーザー共通の不満であり、その部分を改善し具体化するということで簡単に(勿論作業は単純ではないと思うが)、アーキテクチャーを構築できたのではないか? そして、既にハードの部分ではその大規模データセンターの構築で培われた技術でセキュリティの問題などをクリアできるだけのノウハウも持ち合わせているので、これらの組み合わせにより、GOOGLEこそが、より精錬されスマートな新しいOSのスタイルを作り上げていけるのではないかと。
 マイクロソフトは既に肥大化し肥満の体をゆさゆさとゆすりながらやっとのことで動いている感がある。そしてグラフィックスや通信などトレンドの機能を追加しようとしてもベースのアーキテクチャーゆえか、その完成度はVISTAの惨状を見るまでもなく、決してユーザーフレンドリーとはいえない。以前、このブログでも紹介した中島聡さんの「おもてなしの経営学」にそのあたりの内部事情が詳しく書かれているが、マイクロソフトのTOPエンジニアでもあった中島さんが感じた事を、新興勢力であるGOOGLEが具象化しているのが非常に興味深い。そう考えるとGOOGLEとしては、別にOSの分野で「マイクロソフトに挑戦とが、その牙城を切り崩すことに燃えている」のではなく、最初から相手にもしていないのではないか?という気さえもしてくる。なぜならソフトの販売で成り立ってきたマイクロソフトには新しい時代を担うであろうクラウドコンピューティングをつかさどるインフラも構築できていないのだから。実はこの部分がもっとも大変で莫大な資金を擁し加えて莫大な時間も費やさなければならないことをGOOGLEは既に見越した上で、今回のOS開発の発表をしたのだろう(勿論私の意見ですが。。。)。 
 マイクロソフトは最近YAHOOとの提携を発表し、ネット広告分野においてGOOGLEに追従する姿勢を明確化にしたが、これもGOOGLEから見れば、像が尻尾でしつこく付きまとう虻を払いのけているようにしか見えてこないのは私だけだろうか? 勿論GOOGLEにしても、この新しいOSを使用しての収入源の根幹は広告収入ではあると思われるが、それがより個人向けに細分化されて、さらに、携帯OSであるアンドロイドと対になってOUTDOORでもINDOORでも確実に利益を確保できる流れを作り上げていくスタイルの確立が彼らの最終的なGOALであるような気がする。もちろん、その広告を得るための万人にメリットのある様々なコンテンツ(MENU?チャンネル?)の開発も間違いなくユーザーフレンドリーが前提で行われていくのであろう。こう考えてみるとGOOGLEの野望はさらに高いところにあると思えてならない。

 ここでふと思い出したのだが、90年代の中頃、ネットワークの将来性が見えてきた時代に、当時ネットワークではその歴史と自分たちの持つインフラの強みで絶大な力を持っていたAT&Tが<WE WILL DO IT >をテーマに一連の近未来の生活を予想したCMをTVで流していた。少しうる覚えで間違いがあるかも知れないが、朝起きてPCのスイッチを入れるとBEDに仕込まれた数々のセンサーで、その日の体調が映し出され、そのコンディションに合わせたレシピがキッチンのPCに現れる。マーケットでカートにれた品々はレジの脇で自動的にすべてスキャンされ支払いはオンラインで個人のIDで決済、そのデータは自宅のPCの家計簿に自動的に記載される。車の工場ではハンドルに仕込まれたCHIPから、エンジンをはじめとした、全ての機関の状態と必要な情報が簡単にPCで把握できる等々(だったと思う)。既に実現されているものもありそうだが、今回のクロームOS開発のニュースから自分は最終的に、こんな近未来の生活を本当に実現するのは、かつての通信ジャイアントであったAT&Tでもソフトウェアの帝王マイクロソフトでもなく、最も新興勢力であるGOOGLEに他ならないのでは?という気がしてならない。

 

 

June 17, 2009

GMの倒産をどう受け止めるか?

久しぶりの投稿、本当に情けない限りです。最近は仕事に振り回され、ほとんどがドサ回りで慌しい日々を送っているのですが、そんな中アメリカを代表する企業であるGMがついに倒産してはや2週間が過ぎようとしています。アメリカにとってこのような大企業の倒産はそれなりにインパクトは大きいものと思いきや、株式市場はそんな想定は既に十分盛り込み済みで、あまり大きなインパクトもなかったのが正直なところだったかもしれません。というのも過去の例を挙げれば大手航空メーカーのデルタやデパートチェーンのMACYSも同じように会社更生法を適用した経緯があるのに未だにしっかりと営業されているわけで、GMやクライスラーも同じようにまた今までのような経営がされていくように思えます。
 ちょうどGMの倒産が発表になった6月1日に私は日本にいたのですが、日本のNEWSでは、その倒産を伝えると共にGMと取引のあった会社を取材し、その倒産でどれだけの被害を蒙ったか。。。そんな話題を中心に伝えていました。確かに10万人を超える、それもアメリカを代表する大企業の倒産とあって話題性に関していえば相当のインパクトがあり、おまけにその影響は計り知れないものがあるという悲観的な話題のほうがNEWSとしては注目度が高かったかもしれませんが、はたして日本にとっては、そんなマイナス点ばかりなのでしょうか??
 少なくとも自分としては、これは今後日系の電装品メーカーにとってはものすごいチャンスである気がしてなりません。今回の倒産によって、基本的にはアメリカ自身が公的資金を投資し実質的な大株主となって再建をスタートさせることになり、当然GMとしてはいままでのように大型のトラックや品のかけらもない大型高級車を継続して生産するわけにはいかない訳で電気自動車やハイブリットといった次世代の車を生産していかなければなりません。ただそれを早急に実現しようと思っても今までが今までだけに、彼らの周辺にはその分野に精通している外注や協力工場もないのが現状だと思われます。当然メーカーのみでは自動車産業が成り立っているわけではなく、周りにある多くの会社のバックアップがあってこその産業であるかゆえにそのインフラを早急に確保しなければならないのが、現状ではないかと思われます。そんなときに既に十分な経験があり、また現在も次々にリリースされる日本の優れた性能のハイブリットや電気自動車の足元を支えていた日本の協力工場は彼らの要求に十分答えられる経験とノウハウがあると思うのです。実際にこれらのメーカーからの需要に備え、アメリカの拠点や生産工場に今まで日本国内だけで生産していたハイブリッド用の電装品のラインを構築したり、また積極的に彼らに対しての営業活動をスタートした会社もあると聞きます。
 このようなご時世だから何事もTHINK POSSITIVE! 日本でも正直低迷を否めない自動車産業ですが、あえてこれを好機と捉え積極的な展開を試みる企業が増えてくれることを願って止みません。

November 19, 2008

三河屋を再考する!                           -次世代マーケティングプラットホームを読んでー

 

 

 湯川さんから贈呈していただいた「次世代マーケティングプラットホーム」を遅ればせながらようやく読了した(湯川さん、時間がかかってしまって本当にすみませんでした^^;)。まず率直な感想は、「もうすでに広告業マーケティングの分野というのはこんなところまで来ているのか」ということだった。この本には従来の広告媒体であるテレビや新聞、雑誌というものは出てこない。フォーカスされているのは勿論トレンドであるインターネット業界の話が中心だ。GOOGLEをはじめ、SNS、ポータル、ブログの運営サイトなどなど、基本的には、どこもビジネスモデルは旧来の媒体と同じ広告収入であり、その域を出るということは容易ではない。ではその中でどのように効率を上げ、かつ効果のある広告を打つことができるが、どれだけ的確に購買層を抑え、広告主の売上と利益の向上に貢献できるかというのが、これらのサイトの運営側の営業力になると思うのだが、そのためのツールや解析方法、データベース、ネットワークといったお膳立てを専門にする会社が既に存在し、それらのテクノロジーを駆使して、上記の「広告主の費用対効果」を満足させる経営を行うことが必要不可欠になっている現実、そしてそれらが今後どのように発展し究極の目標である「ワンtoワン」広告に近づいていくかという状況を見ることができた気がした。そして、その手法はWEBの域を出て、モバイルやデジタルサイネージにも広く波及し、それらが又独自の進化を遂げつつある点、非常に興味をもった。 サイネージにおいては、そこに映る人の認識まで行い、それに応じてサインの内容を変えるなど、とてつもない(?)技術まであるというのが驚きだった。というか、いつもこの手の本を読むと思うことは自分はシリコンバレーにいながら何でこのようなことが今まで全然知らなかったのか、ということだ。物凄く目からウロコの感動がある反面、相変わらず視野が狭くて情けない自分を感じでしまう。。。
 さて、一連の技術革新に伴うマーケティングの手法が変遷していくなかで、当然このような技術を利用でき、かつ広告と打つことができるというのは、営業企画や宣伝広告費をしっかりと確保できる企業や会社に限定(SALESFORCEやOMMUNITUREのサービスも当然有料だ)されると思うのだが、これらが我々のようなマイクロ企業にはどういうインパクトになっていくのだろうか?ここから何を学んで、これをどう考えていけばいいのか?ということが自分にとっての結論となるわけだが、従来通りの営業プラスWEBによる宣伝と物販といった現状できるマーケティングと営業戦略において、このような近未来のテクノロジーがあると言っても、この域から飛び出すことは、やはりコストというぶ厚い壁のために非常に難しいと思われ、最終的には現実的に自分とは関係ない世界の話だな。というのが正直なところなのだが、ひとつ非常に感心したというか印象的だったのが「テクノロジーを使った、きめ細かなサービス=三河屋さん的サービス」という考えだ。そうだ、これは我々日本人が、本来最も得意とし、これを軸に自分達の生業を維持してきたという基本的な営業戦略ではなかったか。それが湯川さんの言う「時代の流れ、マス文化によって失われてしまったもの」であり、ここへきて再び「この失われたものをテクノロジーを駆使して取り戻すことがIT革命の本質」とまとめられているが、これはテクノロジーを駆使する前に営業を必要とする者の心得として先ず取り戻すべきものであると痛感した。これだけせちがない世の中。家電をとってみれば乱立する大型量販店を尻目に、厳しさはあるものの黙々と経営を維持する町の電気屋さん(三河屋さんと同類)のマーケティング活動が、実は最新のハイテク技術を駆使して目指すマーケティング活動の究極のゴールと同じだという点は、もちろん町の電気屋さんの限られた顧客と市場に対するものとは異なり、後者の方は一般の大きな市場を対象としている点に大きな違いはあるのだが、非常に面白いと思う。そしてこの「広告やマーケティングなどの企業活動の究極の姿」といわる三河屋さん的な顧客対応であれば自分にもできる。ある程度顧客の数や規模が増えても、それこそインターネットを利用して、その分を補うことは別に高価な機器やサービスを利用しなくても十分に対応できるはずだ。このあたりをもう一度この原点に立って考え直してみよう!と、ずいぶん本書の目指すところとは、自分の結論はかけ離れてしまったようだが、この部分の啓発を与えてくれただけでも本書は自分にとって十分価値があったと思う。そんなわけで湯川さんが言われている「広告関係者はもとより、ウェブビジネス関係者や、一般企業の経営企画などに携わる人たち」に加えて、最新のマーケティングの現状を知るだけでなく、そのような時代にどうすべきかを啓発してくれる点で起業家や小企業、そして個人事業主の皆さんにも、この本はぜひお勧めしたい一冊である。
 
P.S.おまけですが、この本を読んで内容とは別に少し考えたことは、いつもここに行きついてしまうんですが、本来日本人が最も自然に取り入れていた三河屋的マーケティングが、これまたアメリカの企業を中心とした日本以外の企業によってビジネスモデル化されて、この分野でもイニシアチブを持っていかれてしまっている現状(この本には日本の会社は一社も出てこない)は、やはり日本人として、他のプロダクツ同様ちょっと残念でさみしい感じがしてしまいました…。

November 12, 2008

GOOGLEの大胆計画を垣間見る

このところの景気後退、それに加えて強烈な円高による利益の縮小。とにかく今年は本当に大苦戦を強いられている。下手をすると会社の存続にも影響しかねない状況にかなり頭を抱えている。そんな中、かつての上司でいまはGOOGLEのアカウントマネージャーであるI氏とランチをともにした。はたしてGOOGLEのような大企業は、このような状況をどう見ているかというと、「楽観視はしていないが非常に興味のある状況で、間違いなく次のビジネスチャンスになるであろう」との見解。ただ非常にいい機会なので、プロジェクトの見直しや人員の削減等会社のシェープアップを並行して行っているとのことだった。自分はこんなに打ちひしがれているのにいったいどういうことかと問いただしてみると、まず大企業においては景気が低迷して来ると最初に削減や見直しを課せられるのが広告宣伝費であり、今までTV広告などに惜しげもなく大枚をはたくことができたのに、その縮小のために新たな見直しを迫られ、そのような既存のPRよりも、実はかなり安価で効果を上げることができるであろう「連動検索型広告」により強い興味を持ち始めている状況で、その引き合いが増えてきているとの事。そのために既存のビジネスモデルは多少の動きもあるものの、今後も堅調に推移していくだろうということだった。う~ん、なるほど。確かに今後激変が予測される、新たな広告マーケティング市場の変革に、昨今の状況はかなり寄与しているようだ。
 加えて現在、売上の5%にも寄与していないYOUTUBEが、この先さらに細かく市場のニーズにマッチしたトラフィックの構築には不可欠だとの話も伺った。具体的なことは聞けなかったが、2000億円の大枚をはたいて購入した会社を収益型モデルの先方としてこの先どのように変えていくかは興味津々である。そして今年発売されたG-PHONEと搭載OSであるアンドロイドは来年以降間違いなく爆発するのではないかというのが同氏の大胆予測。これは非常に信憑性もあった。彼の見解はI-phoneなどの隆盛によって、PCに依存する部分が実は携帯端末で十分に補えるという認識が浸透したため、これだけ景気が悪くなると高額商品、特に安くなったとはいえ$7~800もするPCには目もくれず$200で手に入る携帯端末を購入するようになる。このような状況が今年のクリスマス商戦で顕著になれば、当然PCの大手、DELLやHPもその矛先を変えて携帯端末市場に参入してくることが考えられ、それに加えてACERをはじめとした台湾勢も$500PCよりもさらに安価な通信機能付きのPCモデルの供給をスタートする可能性がある。その際にGOOGLEのOSであるアンドロイドを採用してくれれば、すでに彼らのマーケティングTOOLが山のように搭載された同OSを利用して、そのような端末を利用しているユーザーに対して、今後は年齢別、環境別、性別などの細分化された広告など、さまざまな手法で広告業界のアドバンテージを取ることができる。という見解だった。なるほどすごい!もちろんそれは天井知らずの資金力があってこそなせる業でもあるのだが、その遠大な計画は非常に興味深かった。今はだいぶ株価も下がっているけど来年のGOOGLEの動向は本当に乞うご期待!っと、その前に自分のこの先をまず真剣に考えることがファーストプライオリティだった…。トホホ~

October 07, 2008

サンノゼ空港の粋


何と仕事にかまけていた(?)ら、2カ月ぶりの投稿になってしまいました。どうもスミマセン。
先ごろ(と言ってもだいぶ前ですが…)、サンノゼ空港から出張に出かけたら、何とサンノゼ空港は全エリアで無線ラン(WIFI)がタダで使えるようになっていた。さすがシリコンバレーの中心であるサンノゼ!これはかなり粋な計らいだと感心。いつも空港に行くと私のような、月一トラベラーの場合は、そのつど空港にてテンポラリーのサービスを使用するために、1時間単位で課金(8ドルぐらい)されてしまうし、いちいちアクセスのプロセスをするのも煩わしいのだが、それが不要というだけでうれしい。それにしてもこの計らい、かなりしたたかな部分もあると思えた。当然最初に開くのはサンノゼエアポートのホームページで、その紹介が中心なのだが、彼らとしては、そこに広告スペースを設けて近隣のホテルやレストランからの広告で利ザヤを稼ぐことも可能になるだろうし、何より、その中でサンノゼの魅力を存分にPRできれば、将来的な利益につながってくる可能性もあるわけだ。そしてこれだけの理由でもサンノゼ空港をトランジットに使用する客が増えるかもしれない。。。もちろん先行投資に対する効果もあるからサンノゼ程度の空港サイズなので可能なのかもしれないが、やはりここにマーケティング戦略を垣間見た気がする。
これに加えて凄いと思ったのがサウスウェスト航空で、何とこのフリーWIFIを利用する客のために専用のテーブルを各ゲートごとに接地。やりますな!同じターミナルのアメリカン航空のゲートにはもちろんそんなものはない。経営状況を物語るような光景だがさすがサウスウェストと思わず唸ってしまう。

April 19, 2008

「おもてなしの経営学」を読んで

 親友で、ITジャーナリストの湯川さんのブログに書かれていた中島聡さんの「おもてなしの経営学」という本が気になっていて、今回の日本で早速購入した。非常に面白い本で一気に読了。ソフトウェアの面から「ものつくり」に関してのUSE EXPERIENCE(おもてなし)の重要性を説いた内容で、もちろん、ものつくりが中島さんの場合には、コンシューマー向け、私の場合には、ビジネス向けではあるが、基本的には自分の商いの中心であるハードウェアの面からもまったく同じことが言えているという点では、色々と考えさせられた。
USER EXPERIENCE, 我々の業界では以前からUSER FRENDLYという表現がよく使われているが、使う側から見て「使い勝手のよいもの」が、製品の一つの重要な要素となるということはマーケティングの側面から見ても非常に重要な要素だ。これに加えてハードの場合には品質、サービス、価格という要因も重要になってくるのだが、製品は常に技術者の側面からの開発が中心になる傾向があるために、どうしても機能的にマニアックになる傾向があるのが常だ。中島さんは本書の中で「パソコン教室に通わなければならないような製品を作ってしまったこと」に対する真摯な気持ちを吐露している。そしてその気持ちが現在のアップルとSONYの現状に反映されていることを紹介している。会社の存続をも左右してしまうものつくりのコンセプトの本質がそこにあるという考えには非常に共感が持てる。
 私が以前勤めていた会社のベストセラー商品は、技術的には決して優れたものではなかった。ある意味既存の技術をうまくまとめただけのものであったと思う。それが日本の製造メーカーの生産ラインに不可欠なものなって爆発的に売れて一時はシェア40%を確保していた。この背景を今になって考えてみると、日本中、そしてアジアの各国で採用されたわけは非常に単純で使い勝手がよかったのだろうと断言できる。その分、色々なメーカーに簡単にCOPY品を作られてしまったという経緯もあったのだが、先行逃げ切りで会社をIPOまでこぎつけられた。少し違うかもしれないが、これも中島さんの言う「おもてなし」のコンセプトに共通していたと思う。
 話は変わるが、今回訪問した会社の役員たちと群馬県は富岡の老舗料亭で食事をした。その夜のお客は我々だけでお世辞にも繁盛しているようには思えなかったが、富岡製糸場の隆盛に呼応して80年の歴史があるという。料理が運ばれるたびに女将と歓談したのだが、したたかにビールを飲んで帰り際にトイレに立ち寄ると、こんな額がさりげなく飾ってあった。

日本に昔から存在するおもてなしの極意というのは、まさにこういう事だったのではないかと思う。長い間のアメリカ生活で忘れかけていた、サービスの粋に感動。このような素晴らしい「おもてなし」の技を本来習得しているはずの日本を代表するSONYが、簡単にAPPLEにお株を奪われてしまったのは、I-PHONEのときにも書かせてもらったが、本当に不甲斐ない気がしてならない。

March 13, 2008

カーエレクトロニクスの将来性

先週は久しぶりに中西部へのトリップ。テキサスは南端のマッカレン(メキシコのレイノサ)を皮切りに、テネシー、アトランタをまわってきた。基本的にこのあたりにあるお客様はいづれもカーエレクトロニクス関連。車載電装品のメーカーが中心だ。それにしても値段の下落がはなはだしいコンシューマー業界とは異なり、こちらのメーカーはどこも大忙しだ。これだけガソリン代も高くなるとやはり経済的な日本車の需要は高まるばかり。各社ともその自動車に搭載するアイテムの生産に追われている。やはりカーエレクトロニクスの強みは、この先どんどんと新しいものができる可能性があるということに尽きる気がする。特にガソリンに頼らず将来的には太陽電池など次世代の燃料の搭載が不可欠になってくれば当然車の電装率も高まってくるであろう。そして新たなテクノロジーの搭載という面でもその可能性はさらに広がると思われる。今回訪問したカーステレオメーカーが生産する商品には何と高級車向けにノイズキャンセレーション機能(最近ヘッドホンでよく見かけるマイナスの周波数をかけて騒音を中和してしまう機能)まで搭載されているそうだ。これによりエンジン音や風切り音はもとより外部からの騒音をなくしてしまうとのこと。凄い!別の知り合いの会社では脳波センサーの開発をしているのだが、このセンサーも将来的には車のシート(ヘッドレスト)に搭載され、眠気や注意力散漫を防止する機能を持たせることが可能らしい。当然、これらの生産自身も将来的には車載電装品メーカーの手にかかってくることを考えると、車の進化に伴って今後ますます需要は増え、必ずしも楽観視はできないが、将来性はかなり明るいような気がする。

February 03, 2008

サービス(気配り)の粋

 サンディエゴに行きつけのコーヒーSHOPがある。サンディエゴの滞在中はいつも朝家を出るときに途中このお店に立ちよってコーヒーを買うことを常としている。朝の時間帯には、私のような通勤途中のお客や、地元の人たちが、歓談の場として利用しており結構にぎやかだ。当然オーダーを待つ人の列がいつも少しばかりできているのだが、ここの女性店員たち(皆若くて結構美人)は、私の顔を見ると「Hi, Yoshi」と声をかけてくれ、私が注文をしなくても、私のいつものオーダーを「これでいいわよね?」といって出してくれる。毎朝飲むコーヒーなので、今日はラテだけど明日はエスプレッソ…などと、ころころ変える人は当然少ないと思われ、私以外のなじみの客も皆同じような感じでオーダーがサーブされている。う~ん、やるな!と思う。思わずサンキューの一言と少し大目のTIPを置きたくなってしまうのが心情だろう。アメリカでは稀有な、こういうサービス(気配り)には粋を感じでしまう。
 私の尊敬する知り合いに、アメリカでビジネスに成功し、まだ還暦前だが半リタイヤの生活をして人生を謳歌している大先輩がいる。彼は30年近く前にアメリカにわたり、無一文から今のステータスを築きあげた。当初、手に職も専門的な知識もなく、当然就職もかなわず、ほとんどできることがないので誰にでもできる掃除屋からはじめたそうだ。幸いある小さな会社の事務所の清掃を請け負うことができ、その仕事からスタートした。余計なお世話だと最初は思ったそうだが、見た目に殺伐とした雰囲気の事務所がちょっと気になり、自分が愛飲していたアップルジュースのりんごの形を模したかわいい小さな瓶が沢山あったので、それに庭の花を挿してトイレやレセプションなど、気になるところにそっと置くようにしたそうだ。もちろん仕事がきちんとできることが大前提だが、そんなちょっとした気配りが、その会社のオーナーに気に入られ、次々に知り合いや関連の会社を紹介してもらって急成長。数年後にそのビジネスを売却し、あとは持ち前の努力とサービス精神でいくつかのビジネスを成功させて今日に至っている。
 本当に些細なところにビジネスのチャンスとそれを伸ばすか否かのヒントがあると思う。特にサービスに関してはカスタマーサティスファクションを常に全面に押し出しながら何をカスタマーサティスファクションだかまったく理解しているとは思えない対応を普通にする輩が多いアメリカにおいては、その傾向が顕著だ。サービス(気配り)の粋はその際たるヒントだと思う。

January 09, 2008

プラズマ/LCDパネル戦線異常あり?

今週から本格的に仕事始め。昨年のクリスマス商戦の結果と2008年度のカスタマーの計画を確認すべくメインの客先に足を伸ばす。LCDのTV市場はやはり昨年の状況がそのままクリスマス商戦にも繁栄していて売れ筋だったのは大型のTVではなく32、37インチといった2~3台目の需要(子供部屋に置いたりBEDルームに置いたり)が中心だったらしい。日系の各メーカーが予想した大きくなればなるほど需要があるといったもくろみは見事に外れた結果になった。既にこのレンジは完全に台湾、韓国そして中国の独断場。最近では37インチが$500をきる勢いだから正直なところ既に日系の各メーカーが太刀打ちできる状況では無い感がある。そんな中、2008年の南北アメリカのLCD市場は今後どうなるのか?断片的だが色々な意見で気になったものを書いてみた。
ー2008年は昨年と同じように32,37インチといったLCDTV需要が堅調だろう。
 ただしこれらのサイズのTVを作っても既に韓国勢でも利益を出すことはむずかしい。
ー昨年パネルの工場をメキシコに作ったS社はTVではなくパネルの販売という戦略でこの
 状況を乗り切る方針。
 ☆さずか目のつけどころがシャー○でしょ!
ー韓国製のパネルの使用で何とかアメリカ市場を確保したS社。今年は台湾勢のVISIO,
 EIZOに挑むべく中国製のパネルに切り替えて全面対決の構え!
 ☆社長がアメリカ人になって、終わってしまいましたね…
ー台湾のLCD製造メーカー最大手のチーメイの予測では20087年も32、37インチを中心
 に20インチの需要が伸びるだろうとの見解。
 なぜ20インチか。それはGAMEの需要が伸びるという意見
 ☆なるほど!ゲーム市場を席巻しているわが国は、この需要に気づいてるのかな?
ー高級路線で北米市場では堅調な伸びを見せたP社。ただ同製品の中南米、南米での伸び
 は期待できそうも無い。商品名のKUROはスペイン語で「ヶ○の穴」の俗称だからだ。
 ☆カルピスと同じですね~もうすこし配慮が必要では?
ー大型スクリーンでニッチ路線で行くM社は今年もこの路線で突き進む方針。
 ☆いいですね、これこそ日系企業の進むべきスタイル!
ーCESで150”の巨大プラズマスクリーンを披露したP社。
 ☆でも、このサイズの生産コストに見合う需要はあるの??

というわけで、2008年のLCD/プラズマ戦線では日系企業の躍進に期待したいところだが、なんとなく他のアジア勢に最初から分がある感じが否めないのが悲しい。ただ、独自路線のM社やP社、パネル工場をつくったS社などなど、まだまだ十分頑張れる余地ありなので彼らを中心とした今年の活躍に期待したい!





 

 

August 06, 2007

やっぱりマーケティングの重要性

現在お付き合いしている大手の日系TVメーカーでは、大幅な在庫調整がこの5月6月にあった。要因は売れ筋だと確信していた50"以上の薄型TVの販売が思ったように伸びずに過剰生産になったらしい。
昨年より日本のTVメーカー各社は大幅な設備投資を敢行し、将来的に需要が見込まれそうな50”以上の薄型TVの増産を今年に入ってスタートしている。おかげさまでビジネス的には好景気が続いており非常にいい傾向だったのだが今回の在庫調整には「大型TVが安くなれば需要は必ずある」と確信していたメーカーサイドにマーケティングの甘さがあったようだ。確かに見方としては悪くないと思う。今までほしくても買えなかった大型の薄型TVが2,000ドルを切るレンジにまで下がってくれば、そこに大きな需要が生まれるはずだったのだが、結局一番売れたのは30"~37”といったサイズのTVだったという。現在これらの薄型TVは1,000ドルを切るレベルで売られている。この価格帯に手が届く消費者層が大勢をしめたということだ。米国の平均所得を見れば必然的にその差の意味するものがわかるように思う。そして私が考える別の要因だが、カリフォルニアは、少しは落ち着いたものの最近の住宅建築ラッシュはまだまだ堅調なようで、借り手のないオフィスの跡地がどんどんコンドミニアムやタウンハウスに変貌しているのだが、アジア人やメキシコ人の多いこのエリア(カリフォルニア)で、昨今コンドミニアムは一部屋のサイズより部屋数の多いものに需要がある。たまにモデルルームを冷やかしに行くと部屋数は多いのだが、これは日本の四畳半?と思うような部屋があるものが大半だ。当然そのしわ寄せかリビングルームも狭い感じがする。そんなリビングに50”~のTVはちょっと大きすぎるかもしれないし、ましてや日本サイズの4畳6畳レベルの部屋に大型TV は無理だ。ここまで少し切り込みを入れていけば在庫調整をするまでの余剰生産はせずに済んだのではなかったか?と少し考えてしまった。
面白い(失礼。。)のは、この在庫調整が1社ではなくP社やS社の最大手を中心に大半の会社で実施されていたということだ。右へ倣えでマーケティングの重要性を軽視して、また皆揃って同じ轍を踏んでいるという状況はここでも顕著な気がする。

July 18, 2007

サウスウェスト航空の機敏

仕事がら、サンディエゴに行く機会が多いのだが利用するのはいつもサウスウェスト航空だ。アメリカの航空会社でUNITEDやAMERICANの最大手を尻目に唯一利益を出している航空会社として有名。しかし彼らのサービスや動きをみているとそれもうなずける気がする。まず社員に妙に屈託がなく明るい感じがする。きちんとした制服に身を包んで神妙な面持ちのほかの航空会社とは違ってサウスウェスト(以下SW)の制服はボタンダウンシャツにチノパン。夏はそれがポロシャツに代わる。畿内を動きまわる作業にはうってつけだ。そしてたまに冗談を交えた軽快なアナウンス(時に耳障りな時もあるが…)もイメージ的には明るい。そして、運営もユニーク。乗られた方はわかると思うがシートのアサインができないというか不要で乗り合いバス同様のシートは早い者勝ち。いいシートに座りたければ早くチェックインすればいいという感じ。これによってある意味複雑なシートの管理や配分が不要になり、かなりの合理化ができていると思う。加えて飛行機会社の課題である「どれだけオンタイムで離発着できるか」という点に関しても、従業員がみな協力して取り組んでいる姿が見れて小気味よい。SWは着陸後客の誘導が終わるとキャビンアテンダントが自ら手袋をはめて客席の清掃を始める。あえて専属の人間に委託せず、できる事を最大件に短時間で実行するという合理性もあって、着陸後は給油の時間のみでの出発ができるようだ。
待つ側にとっては5分10分の遅れが気もちを憂鬱にさせるものだが、彼らの真摯(?)な姿を見ているとそれも許せてしまう気がするから不思議だ。そんなわけで今までは、そのような合理が功を奏して価格的にも低価格を打ち出し、それでメリットを出していたようだが、たとえ燃料費の値上がりで他の航空会社と差がなくなっても、同じビジネスパーソンとしては機敏さを常に意識させるSWを今後もひいきにしたい気がする。