ヒーローたちはどこへ消えた??
友人のEIJIから原発内での作業用に日本で開発されたロボットがあまりにお粗末だったとの話を聞かされた。少し大きめのタイヤが装着されているが瓦礫の山を乗り越えることはできない。操縦可能範囲はわずか30m程度でおまけに外部電源が必要…。用途もよくわからないような代物だという。これが震災の後に原発内での作業用に作られたものだということなのだがロボット大国を自称する日本の製品にしてはあまりにも見劣りがするものだったと非常に残念そうに話していた。確かに日本はロボット大国として国内外にその技術の素晴らしさをPRしている感があり、国民もそういう意味では日本はロボット技術の先進国だというイメージがあるにも関わらず、今回の原発事故で実際に現場で活躍しているのは、アメリカを中心とした海外の製品ばかりという状況に疑問を持った人もかなり多いのではないかと思う。自分もまさしくその一人だ。
ある記事で読んだのだが、記者が「アシモ君はどうしてこういう時に活躍できないんですか?」という率直な疑問をHONDAの開発担当者にぶつけたところ「そのような仕様には設計されていませんので」と一蹴されてしまったという。確かに放射能の中で活動できる仕様になっているとも思えないのは確かだ。何かほかに背景がないかと思い、友人でもあり日米のロボット事情に精通しGETROBOを主催しているジャーナリストの影木さんに聞いてみたところ「いま原発で使用されているアメリカ製のロボットはすべて軍事用に開発されたもの。軍事産業がほとんどない日本では、その方面に企業が投資してロボットを開発することはない。」との返事。なるほどこれは納得できる。そして「今回の事をきっかけに日本も有事対応のロボットが開発され新しい産業になればいいのだが…。」とも話していた。確かに産業用ロボットは自動車産業の隆盛に伴い日本は絶大な市場を確保していたのだが、最近ではお掃除ロボットのルンバに代表されるようなコンスーマー向けのロボットでは外国勢の優勢が目立つとも話していた。また別の友人からは国がロボット産業に対してはかなりの補助、助成金を出しており、逆にその援助を受けた団体や学校では独自の営利目的でのロボット開発ができないとい背景もあるのでは?と話していた。加えて原発は安全と言う思い過ごしから有事対応のロボット開発に対しての補助は2003年にすべて打ち切られたとの記事も読んだ…。
いづれにしても影木さんの話のように今回の有事をきっかけに日本はもっと今までの技術開発力を駆使して、新たな災害対応のロボット開発を真剣に、そして早期に始めるべきだ。デンソーやダイフクに代表される産業用ロボットのあの精巧な動きと見事なまでに洗練された操作性をもってすれば放射能の中でも立派に仕事をする優秀な有事ロボットを開発することは決して不可能ではないはずだ。 世界に先駆けて彼らを完成させ、そのPRを行えば(今なら極端な話、放射能の中でしっかり動作するロボットの動画がYOUTUBEなどにUPされれば世界中の原発保有国から問い合わせが殺到するだろう)、この分野でも日本は新たなイニシアティブを取ることが十分可能だと思う。しかしうかうかしてはいられない。今回のアメリカのロボット、そしてフランスの原発安全対策技術の日本への提供は間違いなく彼らのこの分野におけるエバリュエーションを実地で検証できるという営利目的が絡んでいる。自国の犠牲は何としても自国の繁栄のために生かしてもらいたい。そのためには即実行あるのみだと思う。自分が幼少のころTVで日本(世界)の平和と国民の安全ために大活躍していた鉄腕アトムや、鉄人28号、ジャイアントロボ達は本当にヒーローであり憧れだった。それらの番組が放映されていたころから既に50年近い月日がたっている。これだけの時間が有れば彼らが現実のものとなってこのような有事に大活躍をしてくれてもまったく不思議ではないと思うのだが彼らはいったいどこへ消えたのだろう…。彼らの活躍に興奮し歓喜していた自分は、自転車に乗ったり自力で走り回ることはできても有事に全く活躍できないアシモ君やムラタセイサク君たちには残念ながら何の関心もないし魅力も感じない。今はとにかく有事に大活躍ができる本当の意味でのヒーローたちの一日も早い登場を願って止まないのだ。



先週の金曜日にアメリカではAPPLEのI-phoneが発売された。各販売店の前には、開店前に購入をもとめるファンの長蛇の列ができたという。アップルの基本的なデザインを踏襲した精錬されたデザインは確かに持ち歩くのにもファッショナブルである。おまけに操作性は抜群にカッコイイ!タッチパネル形式だがその豊富な操作性(たとえば指の動かし方で画面を拡大、縮小できるとか)は本当に驚異の世界だ。おまけにアイコンをはじめとしたグラフィクスも、これはもうお手芸だけあって秀逸な出来栄え!脱帽である。でも機能はどうか?基本的に電話に加えてカメラ、インターネット、MUSICプレーヤー、MAPその他で、特別目新しいものはなさそうである。I-PODのときもそうであったが、最近思うことは、どうして日本のメーカーがいち早くこのようなスタイリッシュな製品を開発し、アメリカ市場に投入しなかったかということだ。日本の技術力を持ってすれば何一つ不可能な事はないだろう。日本に帰ればご存じのように携帯ショップや家電量販店の店頭に百花繚乱の如く並べられた携帯電話たち。少なくともそのどれもが機能的にはI-phoneと同等かそれ以上のはずだ。気概ある日系メーカーがいち早く新しいデザインと洗練された機能でアメリカ市場に参入していれば間違いなくイニシアティブをとれたと思うと何とも複雑な気持ちである。少なくとも日本でだってスタイルとデザインを斬新にするメーカーがあれば十分にシェアはとれたと思うのに、どこの電話も相変わらず五十歩百歩の容姿でがっかりする。1990年代の半ばまでは、ほとんどの日系携帯電話メーカーはアメリカでの生産をしていた。それが2000年に入ると一斉に撤退。いまでは京セラがOEMでわずかに生産しているらしいが現在こちらの店先で日系メーカーの携帯電話を見かける事はほんのちょっぴりのSANYO製を除いては、ほとんどなくモトローラ、NOKIAとLG,SAMSUNGに市場は席巻されている。日本ではどのメーカーも価格競争に巻き込まれ、たいして利益を生むこともできないが、その利益を数で補うために連日徹夜状態だとP社の生産工場担当課長が話していた。発売と同時に品薄状態のI-phoneの販売価格は$600(8GB)だ。利益率はきっと高いはずである。日系各社の重労働と奮闘を尻目に高利益で高笑いのAPPLEが目に浮かぶ。