ここのところの急激な円高により本当に憂鬱になることが多い。特にすべて輸入、それも円建てで商売をしている弊社にとってこの円高によって乗じる差損は深刻だ。一番恐ろしいのは、その円高に推移するスピードである。ちょうど1月ごろに受注し、2月に納品を完了した商品の支払いがこの3月。つまり、受注したときに作成して客先に提出した見積書は、当然その時のレートで換算しているので、大体1ドルが115円ぐらいだったものが、いざ支払の今の段階では100円を切る状況。つまり1ドル当たり15円のロスとなっている。10万ドルを超える支払いで生じるロスは単純に日本円の150万円。これだけの純利益を稼ぎ出すためには、最低でも1500万円の売り上げが必要になることを考えると、いままでの苦労が一瞬にして水の泡になってしまったといっても過言ではない。加えてうちのような小さな会社にとっては、これはかなりの大金である。。。だからこそ、というと後の祭りではあるが、やはりそのリスクを考慮した対応、そして準備を常に心がけていなければならない。まず第一に市場を見る目だ。この先為替市場がとどうなっていくのか、もちろんそれを見極めるというのは至難の業であり、少しの経験では予測などできるわけないのだが、もう少し気を配ってこのあたりにも敏感になれるセンスを身につけておけば事前の為替予約や社内レートの変更を含めた事前の対応を取ることができると思う。もうひとつはバランスだ。今まで輸入中心のスタイルで事業を進めているが、アメリカから日本へ輸出できるような商品の開拓も、これからは常に考慮していかなければならないだろう。輸出事業がが軌道に乗れば円高のときには強い柱となってくれる。このようにしてバランスを保てるようなビジネススタイルの確立を真剣に確率していく時期に差し掛かっていることを認識するには最高の機会になった。ただその分の代償はかなり大きなものになりそうだが…。
今週前半はテキサス、アトランタへの出張。このエリアは自動車関連企業が多い。テキサスは州の最南端に近いマッカレンを拠点にボーダーを越えメキシコのレイノサへいったが、ここにも多くの日系車載電装品メーカーがある。最近のガソリン高騰により、昨年よりアメリカのビッグ3の業績はがた落ち。それとは反対に日本車の需要は最高潮に達していて鼻息も荒い。確かに燃費の差は大きい。最近のカリフォルニアでは平均1ガロン(3.8L)が$3.50.日本円に換算すればそれでも1Lあたり100円強だが、使用量を考えたらバスや電車といった車以外の交通手段が乏しいアメリカのほうが圧倒的に割高だ。このような事情なので低燃費、そしてハイブリット車などの投入に積極的な日本勢が圧倒的に強さを誇っている。そんな中、かつてのビッグ3の圧倒的なシェアと需要に対応すべくアメリカに進出した日系企業の多くは、いま深刻な状態に陥り、工場の撤退や中南米への移設を余儀なくされているところも多いと聞く。これに対して日系自動車メーカーの進出に呼応してこちらで操業している各協力工場は大忙しでてんてこ舞いの状況だ。
燃料の高騰という引き金で、同じ業種しかも同じ日系企業で、これだけの明暗が分かれる状況は色々な意味で顧客や対応業種のバランスの大切さを認識させてくれる。弊社のような小さい会社の場合、特に需要の大きさについつい靡いてしまう傾向が強いが気持ちの上では常にシェアのバランスも考慮していきたい。
最近韓国の攻勢がすさまじいと思う。特にエレクトロニクス、それもLCDやプラズマといった生産に欠かせない副資材の市場ではかなりの勢いである。言うま でも無くLCD生産で世界のトップシェアを誇るLGやSAMSUNGといったメーカーの製造拠点がある韓国では、これらの生産に不可欠な材料、静電気や埃 対策の商材、実際の生産に使用される副資材など今までは輸入中心でまかなわれていたものが、地場の需要の増大に呼応して自国での生産が進み、当然それに伴 う研究開発も急ピッチで進められてきた(勿論大手の潤沢な研究開発資金が使われたと思うのだが)と思われる。非常にクォリティも高いのだ。そして日本製品 に比較すると値段もかなり安いときている。このような商品を自国の需要だけに留まらせずに積極的に海外での販売展開をしているところが韓国の強さであり、 商売上手なところだ。ここ1~2年で静電気対策商材を扱う韓国の商社が雨後の竹の子のごとく米国市場に参入している。
そのパワーはすごい。うちが代理店をしている日本では老舗の静電気対策メーカーであるA社がアメリカ市場に本格的に参入してきたのはここ3年前の事である。この差はやはり大きいと思う。
インドや中近東そして南米などでは、既に韓国の大手家電メーカーが市場を凌駕しているという話も大分聞くようになった。オセロのように気がつかないうちに 4隅を取られているかも知れないであろう事を日本の大手ばかりでなく中小企業も少し真剣に考えてみる必要があるような気がする。
大分久しぶりの投稿になってしまった。実は発生以来なんと4ヵ月半かかって、ようやく巻き込まれていた原産地詐称事件が解決した。12月27日の投稿に少し触れたのだが、ここでもう一度状況の詳細を振り返ってみたい。
2006年11月
11月9日韓国から輸入してメキシコへ出荷した商品がメキシコの税関で原産地詐称の罪で差し押さえされ、そのまま商品である特殊な安全靴110足とその運 搬をしていた車(VAN)ごと拘束された。、韓国から出荷された靴は韓国で生産されたという原産地証明も添付されていたのだが、なんと靴底に中国製を使 用、そのためその靴底をみた税関が中国製を偽って輸入しようとしたと判断。韓国のメーカーは確かに中国製の靴底を使用したが組み立ては全て韓国で行ったの で韓国製で問題ないという主張..。この通関をしようとした通関業者と最終輸入元である弊社の顧客が矢面に立たされた。
まったく寝耳に水の出来事。製品は韓国から直接インボンドという方法でアメリカを経由しメキシコに輸入する方法をとったので弊社ではまったく内容を確認できずに添付された書類だけを信用せざるを得なかったのが現状だ。
10日に輸入元である弊社の顧客より取引停止の通達を受ける。弊社は窓口である運送会社を通じ、状況の説明と謝罪文、および韓国メーカーからの説明文を提出。
運送会社からは車の拘束に対し、一日当たり$300の保管料支払いを要求される。
その後2週間ほど動きなし。月末になり運送業者から商品は中国製と認定されたために最初に提出されたインボイス価格の$65を中国製として$50に変えて提出するように要請をうけ差し替えのインボイスを提出。
2006年12月
インボイス提出後、こちらからは毎日のように確認の依頼をするが「おって沙汰を待て」の返事。
そのまま年末を迎える。
2007年1月
正月明けから同じく確認を依頼するがまったく進展なし。
車の保管料は2006年分2ヶ月で$13,000となる。この費用と先払いしたペナルティの$17,000の支払いを要求される。
2007年2月
あまりにも動きが無いために実際に税関との窓口になっている通関業者を訪問し、同社社長と会見。
税関への直接面談を要求。2月8日この面談が実現し、弊社スタッフと、通関業者社長を交え、税関副所長と税関スタッフと面談。状況の説明と謝罪をする。そ の際、税関担当より速やかに審議を進めるとの話あり。しかしながらその後また2週間何の音沙汰も無く過ぎる。その後、あまりにも動きが無いために数回通関 業者を訪問するが、返事はいつも同じ。26日に通関業者より税関にてすぐにリリースするためのアンダーマネーの要求があるとの話を受ける。恥ずかしい話だ がどうしようもない状態だったために要求の$3,000を支払う。
2007年3月
$3,000の効果もむなしく相変わらず進展なし。
そして、税関所長が人事で入れ替わり1日から新しい所長が赴任したとの報告を受ける。3月に入ってからは連日弊社スタッフ、また私自身がティファナにいる ときには朝と晩必ず通関業者に立ち寄りPUSHと状況の確認をするも、税関サイドは毎回、「翌日の10時に来い、夕方の5時に来い」と言われるだけで動き は同じ。このような事を10回以上くりかえす。
業を煮やしたので通関業者社長に新税関署長との面談を要求。これが実現し9日に弊社スタッフと通関業者社長を交えての面談が行われる。そのさい通関所長より速やかに対応する旨を確認。
しかしながらその後も動きはまったく同じ。2週間ほど私も連日税関にかよい、そのつど1時間以上待たされて返事は「明日来い」といつも同じ。
3月23日に再度通関業者社長に税関との面談を要求。そのご同社長より「税関所長と面談し来週にはリリースされるだろう」との話あり。しかしながら何度もだまされてきたので私は半ば諦めて月々の保管料支払いの重圧もあり会社の清算をも視野に入れた対策の検討に入る。
26日からは弊社スタッフと通関業者スタッフが日参。そしてようやく28日夕刻にドキュメントがと車がリリースされた。しかしながらなぜ、これだけ長期にわたり拘束が続いたかの具体的な説明は無しだった。
長い間ブログを書かなかったのは、実は11月に入って大変な2つの事故に巻き込まれていたからだ。
一つはセールスタックスの監査に入られたこと(あえて事故とよばせてもらおう)。弊社の場合、商品の大半はアメリカを経由してメキシコへ出荷されることが 多い。そのため基本的に商品は州外で使用されるので、TAXは免除になる。ただ、税務署からみればカリフォルニアは国境沿いにある会社(顧客)から注文書 が入り、納品はこれまた国境沿いのカリフォルニア側の倉庫に納品になるために見た目はカリフォルニア内で商いが成立しているのでセールスTAXの課税対象 になるというのが彼らの主張だ。通常これらの顧客からは商品は全てメキシコ(州外)へ出荷される旨の証明(RESALE CERTICIFCATE)を 取って保管してあると思っていたのだが、オフィスの引越しなどで新しく更新された書類がなくそのために過去3年間にカリフォルニア州の指定倉庫に搬入され た商品に対し、それらが確実にメキシコへ出荷されていることを証明する必要が生じてしまった。金額的に1M以上...私自身の管理の不徹底もあったのだ が、膨大な資料に関して証明を得ることは大変な作業..。そして2ヶ月を経た今でも提出した証明に対して。いまだに最終的な結論が税務署からはでていな い..。 もう一つはさらに深刻である。。。11月の頭に韓国から輸入してメキシコへ出荷した商品がメキシコの税関で原産地詐称の罪で差し押さえされ、そのま ま拘束、そして税関警察の手により刑事事件として捜査されてしまった..。韓国から出荷した商品は特殊な安全靴で韓国で生産された原産地証明も添付されて いたのだが、なんと靴底に中国製を使用、そのためその靴底をみた税関が中国製を偽って輸入しようとしたと判断したのだ。韓国のメーカーでは確かに中国製の 靴底を使用したが組み立ては全て韓国で行ったので韓国製で問題ないという主張..。結局シッパーである弊社が矢面に立たされている。
こちらも11月の9日に発生して未だに捜査中との事で何の結論も出ていない..。ただ、品物はトラックごと拘束されているため、トラックの費用と追徴課税、罰金に弁護士費用とかなりの金額を請求される見込みだ..。
これらの出来事に関しては明確になった時点でまた詳しく記述しておきたいと思うが、この2ヶ月間で色々考えたのは、会社のリスク管理だ。正直なところ小 さな会社でこのような問題が、それもどこからともなく火の粉が降りかかるように起こってしまうということを認識しているオーナーは少ないのではないかと思 う。ただこのような問題(TAXの場合はきちんとしていれば大丈夫だが)によって生じるLOSSは簡単に会社を葬り去ってしまう可能性が大きいことは否め ない事実だ。訴訟問題然りである。
このような状況に対して、やはりオーナーはきちんとした対策をおく必要があることを再認識させられた。それは物理的に保険等の契約をすることだけでは く、日頃の詳細な管理や書類の扱いに関しても同様だ。小さい会社の場合、自分もそうだがビジネスを維持するために奔走している場合がおおい。でもそれでは 片手落ちだ。常に全体をフォーカスするマネジメントが重要。加えて個人の精神力も重要だとおもう。ここ2ヶ月ははっきり言ってまともに眠れない。明け方目 が覚める..。そんなストレスから、腰を痛めてしまった..。情けないことだが精神力の弱さも、あらためて認識した。小さな会社のオーナーは強くなければ いけない。小さな会社のリスク管理は公私にわたって管理のバランスと強靭な精神力を必要とすることを今回強く感じている。
日本へ出張。タイミングよくCEATECジャパンを見学できた。
昔のエレショウであるこの展示会は日本の家電メーカーの特にビジュアル、IT系のショウとして
もっとも有名である。
特に各TVメーカーはその粋を凝らした大ブースで訪問者を圧倒していた。そんな中で特に興味を持ったのはSHARPである。各社それぞれ自社の製品を前面 に出してPRしていたのに対し、SHARPはその製造現場である亀山工場のプロセスや環境に対する素晴らしさを強調し、このような環境で生産されるTVは 品質的にも素晴らしいということを前面に出していた。よくよく見ると同社のTVコマーシャルも同じrとでコンセプトで製造環境を前面に出していた。
面白いと思った。自分が購入する立場なら製品自身の比較であれば正直なところ、どこもどんぐりの背比べ。そんな中で製造される過程の素晴らしさを強調されれば確かに製品自身も安心感が持てる気がする。さすがですなSHARP。技ありである。