- Surfing Life-

1997 WINTER. STEAMER LANE


<サンタクルーズの波乗り事情>
重く垂れ込める灰色の霧、どんよりとした鉛色の氷水のような冷たい海。しかしそこには極上のレギュラーブレイクがあります。 サンタクルーズのサーフポイントを形容するとこんな感じでしょうか?
とにかく水が冷たい。真夏でも全身をカバーするフルスーツとブーツは必携。 冬場には、これにグローブとヘッドギアが加わり、アザラシと見分けがつかないような 格好でないととても耐えられません。 こんな場所だから世界的に有名なウェットスーツのメーカーであるオニール発祥の地である事もうなずけます。
ここでサーフィンをはじめて早19年。こんな状況にも代え難いほど波のクォリティは高く、多くのサーファーを魅了し、ウィングナット、CJネルソンをはじめとした多くのプロを育んできたこのビーチに私も魅了されっぱなしです。
シーズン的には、晩秋と、北のうねりが入る冬場から春先にかけてがベストです。ただこの時期は、水の冷たさもピークに達しており、2時間が限界。それと大波に対する強靭な体力が必要になります。 特徴的なのは、一年を通じてラッコやアザラシを間近で見る事ができる事。特に春先には、イルカが回遊してくる事もしばしば (ホント5mぐらいの所を泳いでいる)ですし、5月頃になると、ラッコが赤ちゃんをお腹に乗せて貝を食べたりしています。 アザラシにもあの真っ黒な目で見つめられると思わず照れてしまいます。


<サンタクルーズのサーフスポット>

<STEAMER LANE>

レーンの愛称で親しまれるこのポイントは、サンタクルーズボードウォークの北に位置するポイント。 張り出した岸壁沿いに波がブレークするためにいつも多くのギャラリーを集めている。岸壁沿いにヒットする 波の先端よりファースト・セカンド・サードとピークが分かれているが、ファーストピークはエキスパートオンリー。 冬場に北のうねりが入ると15feetぐらいの大波を堪能(見るだけ)できる。サンタクルーズ随一のポイント。 此所の手前には、初心者向けのポイント<COWELL BEACH>がある。




<Pleasure Point>
サンタクルーズ市内から南に下ったところにある。秋の終わりから冬場にかけてと、春先から初夏にかけてはため息の出るような、 パーフェクトレギュラーのブレークが体験できる。サイズ的には頭から頭半がベスト。リーフブレイクのため、干潮時にはインサイドで注意が必要。 サンタクルーズでは一番お気に入りのポイントです(スミマセン写真は早急にアップします)。


<Hook>

プレジャーポイントの南側に位置する崖下のポイント。階段を使ってポイントに降りる。 Hwy1より41st Aveを右折し突き当たりまでいった所にある。ブレークが早く肩も張るためどちらかというとショートボード向き。 ポイントブレイクのため人が多いのが難点。





 

 



<38th Ave>

プレージャーポイントとフックの中間にある。38thストリートの先にあるためにこう呼ばれる。またポイント手前には、オニールの創設者ジャックオニールの家がある。 波が厚くきちんとした三角形を描いておりロングボードには パーフェクトなポイント。ショートボードにはむいていないが、冬場の干潮時には、インサイドでグリグリのチューブができる 穴場のポイントとなる。




 

 


<Capitola>

フックから連なるこのポイントは、南のうねり入り始める 秋から冬場にかけて その本領を発揮する。逆に夏場はほとんど波乗りはできない。 基本的には形のいい三角波でHOOKに隣接してはいるものの、 ロングボードには最適な波となる。つなぎがいいと長いライドが可能で時に50mは 余裕で同じ波に乗りつづけることができる。





 

 


<ノースリーフ>

スティーマーレーンの北に位置するこのポイントは、夏場にはほとんど インサイドのみがサーフィン可能だが,秋も後半になって北のうねりが入り、 それが干潮に重なると写真のようなマシンウェーブとなる。面はかなり深めに切り立つためにロングではセクションを抜けるのがかなり難しい。 が、ショートには極上の波となる。









<私にとってのサーフィン>
サーフィンをはじめて、一時中断していた時期を含めるとかれこれ25年ぐらいになります。それにしてもこのスポーツだけは、まったく上手くなりません。勿論自分自身のマニューバーに大きな問題はあると思いますが、ほんとに上手くならないんですね。 スノボーやスキーは全然問題なく理想通りのマニューバーが可能なのに・・・。だからこそ多くの人を魅了して止まないのでしょうか?
私にとってのサーフィンとは、そのような理由もさる事ながら、やはり非常にベーシックな道具で自然との一体感を満喫できるところにあります。 波との出会いは本当に一期一会だと思います。勿論かたちの似たものはあっても一度たりとも同じ波に出会う事はありません。ここが他のスポーツとの大きな違いなのでしょう。スノボーやスキーでは一度失敗しても同じ斜面で再びトライする事が可能ですが、 サーフィンの場合はできません。一度失敗したら次の波を待たなくてはなりませんが、その波がまたくるという保証はないのです。だからその波を待つために(出会うために)、毎週毎週、朝早くから海へ向かうのではないかなと思います。一種の麻薬のようなものでしょうか? サンタクルーズでは、この魅力にのめり込んでしまった多くの人たちを見かけます。若い人もさる事ながら40代50代、 中には60代の人も必死になって波を追いかけています。
こんなきまぐれな波に一枚の板で立ち向かう、一枚の板でこの気まぐれな波と戯れる、 そしていい波と巡り合うためには季節の変わり目に常に注意を払い、 風の匂いや気温の変化そして天気の善し悪しを察し、 その日のコンディションを判断する、何というか野生の本能のようなものも必要になってくるのです。 こんなところに私は、サーフィンを通じて得られる自然との一体感を強く感じて止みません。

 私はここ18年はずっとロングボードに乗っていました。ご存知のように、ショートボードと異なり水面に接する部分が多いためにコントロールは難しく、そのボードをコントロールするためにノーズライドやニーダウンカットバックといったロングボード独特のマニューバが必要になりますが、このベーシックなところをいかに簡単に決めるかがロングボードの大きな醍醐味であると思います。長年波乗りをしても完成しないマニューバを何とか決めてやろう、大きなカットバックから無駄の無い動きでハングファイブを今日こそは完成させるぞ!という意気込みはいまだに衰えることがありません。そして最近では自分がサーフィンを始めた70年代の後半に流行したシングルフィンのショートボードやFISHのツインフィンにも再び挑戦し、波乗りに行くたびに新たな発見ができて、ますますその魅力と奥の深さにはまりこんでいます。
 サーフボードを車に乗せて、週末はウェークデイより早起きをし、まず空を眺め、風の匂いを感じ 海へ向かう。サンノゼからロスガトスの峠を越えたあたりで見えてくるサンタクルーズあたりの様子を見て、 道端にあるハンバーガー屋にはためく星条旗で風向きを知る。 そしてわくわくしながら海と対面する。当てが外れて波がなくても、 週末になるとこのプロセスが私には不可欠になっていて私にとってのサーフィンは、もうライフスタイルの一部となってしまったようです。
将来的には海の前に住み、毎朝日の出と共にサーフィンをして一日が始まり、夕焼けを見ながら獲れたての海の幸で夕げをとる。そんな生活を一日も早く実現するのが今の目標です。



To Top Page